海賊の娘



内容紹介
のぼうの城』から六年。四年間をこの一作だけに注ぎ込んだ、ケタ違いの著者最高傑作! 和睦が崩れ、信長に攻められる大坂本願寺。毛利は海路からの支援を乞われるが、成否は「海賊王」と呼ばれた村上武吉の帰趨にかかっていた。折しも、娘の景は上乗りで難波へむかう。家の存続を占って寝返りも辞さない緊張の続くなか、度肝を抜く戦いの幕が切って落とされる! 第一次木津川合戦の史実に基づく一大巨篇。





上下巻あわせると、約千頁
ま〜、書いたのが「のぼうの城」の作者ですから時代小説にしては読みやすいです
瀬戸内海賊の村上家、三家ある村上家の中でも一番恐れられている「野島村上」
そこの、お姫様「景姫」の冒険譚みたいなものなのかな〜
史実に基づいて書かれてるから、第一次木津川合戦は景姫が事の発端なのでしょう
上巻では、戦に憧れる景姫の戦見物漫遊記みたいなもので
本題である木津川合戦は下巻の後半250ページで一気に書き下ろしてます
この250ページを面白く書き下ろす為に
上巻と下巻の半分を合わせた750ページを序章に仕立てたといっても過言ではないと思う
それだけ木津川合戦シーンは面白いです
陸戦も上巻で本願寺と木津砦の合戦シーンが出てきて面白いけど
やはり村上海賊を題材にした本なのだから海戦のほうがやはり面白い
最後の最後まで展開が変る海戦シーン
面白い本ではありました
ただ、最後の数ページはいらなかった!
登場人物達のその後の紹介はしなくてもいいよ
それは読み終えて興味を覚えた人達が勝手に調べれば良いんじゃないかな
なんか、この部分だけが数字合わせみたいな感じがして嫌だったな
せっかくの物語なんだから気持ち良いところで終わらせるのも作者の勤めではないでしょうか


こういう本を読むと別な角度で見てみると
本州の人達はなぜ「家」というものを大事にするのか
なぜ北海道の人たちはそれが理解できないのか、それを知る本でもあったりします