ビブリア

 

内容(「BOOK」データベースより)

ビブリア古書堂に舞い込んだ新たな相談事。それは、この世に存在していないはずの本―横溝正史の幻の作品が何者かに盗まれたという奇妙なものだった。どこか様子がおかしい女店主と訪れたのは、元華族に連なる旧家の邸宅。老いた女主の死をきっかけに忽然と消えた古書。その謎に迫るうち、半世紀以上絡み合う一家の因縁が浮かび上がる。深まる疑念と迷宮入りする事件。ほどけなかった糸は、長い時を超え、やがて事の真相を紡ぎ始める―。
 
 
三話仕立ての短編小説なのだが実は繋がっているという話
五浦と栞子が結婚後間もない頃の事件と
一人娘の扉子が小学生になってからの話しと
更に扉子が、もう少し大きくなってからの事件
と言っても扉子は昔の事件を語ってるような役なので謎解きには参加してません
今回の作者のお題は日本ミステリーのストーリーテラー第一人者でもある横溝正史
しかも題材となる本がミステリーの方じゃなくて家族小説と言われる
横溝作品としては珍しい分野(というか私は、このような小説を書いてた頃すら知らなかった)の作品「雪割草」
代表作となるミステリーの「獄門島」も題材に取り上げられているのですが、それはあくまでも雪割草を生かすためのネタであり前フリ
スラスラと読んでいく事も出来るし当時の作者が、どのように生活していたのかもわかって面白い
ただ扉子必要?というか作者は娘の扉子をどういうふうに持っていきたいのだろう?
作中の行動を見てると栞子と同じ性格をしてるようだし
むしろ栞子よりも行動的だから最終的には栞子の母親と同じような事をさせたいのだろうか?
これから大きく成長していく扉子も見たいが波乱な一家になりそうな予感しかしない